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投げっぱなし雑記 中将一人参上


調子乗りの中将です。

こっそり作ったサイトにみなさん御来訪いただき感謝感謝です。

せっかく来ていただいたのだから、何か新作でも上げられればと思ったのですが、手元にすぐ完成できるネタがありません。

そこで、なかなかスレ内では自分語りする機会もないので、自己紹介も兼ねて少しスペースを作ってみました。

この機会に、自分がどのように実装スクを書き始めたか、を書いてみようと思います。

 

自分が実装石に初めて触れたのは、ふたばをぶらぶらしているときに見たいくつかの作品群でした。

一つ目は立体造形の「踏まれて上を見上げる実装石」。

歪んできるのに必死に媚びている表情が悪夢のように脳裏にこびりつきました。

なんだこの生き物・・・苦しんできるのか?笑っているのか?気持ち悪い・・・

当時は本当にそう思いました。

二つ目は、「木の根元に横になって目を瞑っている親子(前髪がこげている)」の絵でした。

一見ただの絵なのですが、人間のシルエットがかぶさっていて、とても不吉な按配。

そう、両方とも、自分の中ではとてもあとを引く作品だったのです。

 

 

それから狙って、この不気味な緑の生き物のスレをカタログで探すようになりました。

すでに実装の魔力に取り付かれていたのでしょうね。

 

すでに当時は虐待が定着していたころだったので、そういう作品が多かったのですが、

その中でも、自分の中で何かがはじけるきっかけになったのは、「実装ショップ」の漫画です。

最後のコマの「デェェェン」という泣き声もいいですが、何よりも、実装石の伝わらない善意と、身勝手な思い込み。

これが全てあっけなく打ち砕かされる様が心を揺さぶったのです。

自分の中にあった密かな破壊願望が顔をもたげました。

厳粛な空気や精緻な作り物を破壊したくなる願望、普通は秘めたまま表に出てこないものですが、

「ああ、こういう甘美な悲劇を自分で作ってみたい」と思うようになってしまったのです。

 

それからスクを読むようになりました。

無数のスクの中で、よくできたツリーのように分岐してゆく進化の経路。

その中で自分の実装観というものが出来上がっていきました。

 

以前、自分の作品は方向性が見えないといわれたことがあります。

虐待観察多めですが、確かに自分のスクのジャンルはデタラメでまとまりがありません。

それでも、自分の中にある実装観の真ん中には

「徹底して実装石を軽く扱う」というものがあるのです。

熱意をもって実装石をいたぶるわけではない、かといってかわいがるわけではない。

人間の都合であっさり殺される、約束をしたなら実装石本体よりも約束の方を大事にする。

そういう存在として実装石を見ているのです。

もちろん、実装石をあまりたいしたネタと思ってない、ってわけじゃありません。

一所懸命に考え、生き、それでも人間に顧みられない実装石、という存在がとても好きになってしまったのです、と追記します。

描写が淡白に見えるとしたら、そこなのかもしれません。

自分の描写力不足の可能性のほうが高いですけども…

 

ともかく、そうして書いたのが初期4作の中の「中国製リンガル」でした。

実装に優しくしよう、と決めたら、実装自体がどう感じようか気にしない、というか気にもとめない、気づかない。

そういう徹底相手軽視の、愛護にも虐待にも通じる、そういう感性の設定です。

折り良くあやしげな輸入食品の話題が多く世間を賑わしていた時期でもあったので、

シャレを考えるだけで筆は進みました。

 

そこで比較的好評をいただいたので、調子に乗って「集めてフィーバー」「逆転実装」「実装拳」と

続けてスクを投稿させていただくに至りました。

 

こうしてお題が決まっている中で書く文章というのは、また何でも自由に書く文章と違う楽しみがあります。

自分はあくまで楽しみとしてやっているので、なかなか御要望にフィットしたスクが出てこないとは思いますが、

そんな中に、ひとつでも多く「中将イズム」を愉しんでいただけたとしたなら幸いです。

 

ほんとうにとりとめのない文章になりました。

お付き合いありがとうございました。

〈20100217〉


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